立川市役所新庁舎

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  • 竣工:2010年3月
  • 建設地:東京都立川市
  • 規模:地上4階地下1階
  • 構造:プレキャストプレストレストコンクリート造+鉄骨造、鉄筋コンクリート造(地下)
  • 敷地面積:11,000.41㎡
  • 建築面積:6,880.25㎡
  • 延床面積:25,981.60㎡
  • 設計:野沢正光・山下設計設計共同体
  • 施工:戸田建設
  • 掲載紙:『新建築』2010年6月号(新建築社)『建築技術』2010年6月号(建築技術)
主旨
この建築は公開コンペの段階から革新的であった。審査は公開であり市民により投票がされ、その後の審査ではワークショップがあった。われわれの参加する市民行政議会、三者の会議の進行も市民によるものであった。施工者選定も公開プレゼンテーションを伴う総合評価方式によるものであった。この「立川方式」と名づけられた手順は建築の設計施工の主体を尊重する出色の企画であった。竣工の今、このプロジェクトの設計者に選ばれたことの重さを改めて思う。
提案はほぼ竣工した建築に現われている。低層大平面がこの建築の最大の特徴である。機能は地上三階地下一階の四層にまとめられている。地上階は市民ゾーンと行政執務空間、議会のためのスペースよりなる。屋上の過半は緑化された広場、地下階は主に駐車場である。大平面には中庭、アトリウムを穿ち自然光を導入、敷地西の60mの緑あふれる道の側は庇の深い段状のテラスとしたが、これらはもちろんこの計画の環境配慮とも関連する。アトリウム、議場、地下階にまで届く中庭は昼光が明るい。西側の庇、直交するPC壁は西日の負荷対策でもある。屋上緑化も直射の負荷の低減などを目論んでのものだ。雨はこの土中で浄化され貯められる。アトリウムの風塔と中庭窓が開き夜間外気を導入、日中の発生熱を排出し蓄冷する試みもある。
地下柱頭部に免震層を置き上部をプレストレストコンクリートと四本の鉄柱で構成することが視野の通るフレキシブルな空間を作った。開口部ガラスの複層化などを含め潤沢ではない予算のなか、これら長寿命化と負荷の低減のための諸策が実現した。
この建築が低い負荷で運用され、市民参加の場として市民、行政、議会それぞれに快適であり、多くの市民に十全に利用される、そのことがあれば建築は高質に維持され、使い続けられるであろう。サステイナブルな建築とは手を入れ続けよりよい場とされ使い続けられていくもののことを言う。竣工後、多くの市民によりにぎわう姿にそれへの確信を思う。
 
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