うおがし銘茶銀座店 茶・銀座

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  • 竣工:2002年10月
  • 建設地:東京都中央区銀座5-5-6
  • 規模:地上2階
  • 構造:鉄骨造
  • 敷地面積:55.19㎡(約17坪)
  • 建築面積:43.61㎡(約13坪)
  • 延床面積:90.32㎡(約27.3坪)
  • 施工:バウ建設
  • 設備:マルチエアコン+レナードシステム方式
  • 建築:野沢正光建築工房 内装:高取空間計画
  • 構造:山辺構造設計事務所
  • 掲載紙:「新建築」2003年1月号(新建築社)「商店建築」2003年1月号(商店建築社)「ディテール」2003年4月号(彰国社)「コンフォルト」2003年5月号(建築資料研究社)
主旨
銀座、西五番街の間口3メートル強、奥行き15メートルほどの鉄骨二階建て、日本茶の販売と喫茶のための店である。小さなプロジェクトではあるが、たくさんの人材による多彩な検討がなされ、昨秋竣工に至った。何よりも、限られた敷地幅のなかで店舗として十分な幅員を確保することが求められた。そのため、方立ほどの小断面の鉄骨柱を林立させる架構とし、柱間を店で使用する茶箱がちょうどそこに収まる寸法とした。3連二層分を二分割した架構ユニットは、深夜搬送し建てこまれた。柱の鉄骨は、新たに型を起し製作した。奥行きの深い敷地を十全に使い切るため、二階、屋上への階段を敷地の最後方に設けたが、階段段板は鉄製の巨大な便所ブースの周辺を巡るように片持ちで付けた。3000キロを超える階段付き便所ブースは、建て方に先んじて深夜台座の上に釣り込まれた。ブースを9mm厚の鉄板としたのも、最小の壁厚で便所、階段をフレームの内に収める工夫である。
建築側のもうひとつの主要な工夫はショップフロントにある。亜鉛めっきのうえ燐酸処理をほどこしたファサードの袖壁鉄板は、1枚が4.5メートルほどの高さをもつ大きいものだが、オープンジョイントで構成し、そこにガラス、外付けロールスクリーン、シャッターを収めた。シャッターはケースがないデザインとした。
自動ドアをフレームに収め、ショップフロント全体を昇降させるアイデアは以前からやってみたいものであった。繁忙期に大変な数の顧客が訪れるこの店は、その格好の舞台と考え、クライアントの合意を得て試みたが、開業一ヶ月ほどを見ると期待以上の効果をあげているようだ。フレームをあげ全開口として営業する日が予想以上に多い。フレームが上げられているとき床に現れる溝は、下部に仕込まれたもう一枚のプレートが持ち上がることにより解消され、床面は水平になる。
隣地に面する側の内壁は、フレームと一体に製作され亜鉛めっきを施されたブレース鉄板、左官によっているが、階段奥の突き当たりの一面、比較的隣地との間の距離があるところはタペ加工したペアガラスとしてある。そのためぼんやりと外光が入るが、特に突き当たりの開口は階段を上がる人影を浮かび上がらせ、期待以上に効果的であった。
しつらえは大学時代からの知己、高取邦和による。吊り下げられた照明、大きなカウンター、二階の縁台のような家具、水周りなどはさすが高取デザインである。屋上のしつらえも面白い。今回のコラボレーションはインテリアと建築が最初から関わりを持って進行していったことを特徴としている。両者の領域は判然と区分されていない。設備の高間三郎、構造の山辺豊彦、グラフィックの小島良平、全体を統括した増山敏夫など多くの知恵がジュエルボックスのような小建築につめこまれている。
 
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