増田彰久写真展、世界遺産−英国産業革命の精華−が例の東陽町竹中のギャラリーで催されている。芸大の帰りに覗く。案内のはがき、ポスターはモノクロームのアイアンブリッジのディテールである。会場の入り口に巨大なフォースブリッジの写真がある。ほかにロイヤルアルバートブリッジ、メナイ、クリフトンなどの橋が会場の入り口近くにある。これら橋は周辺の自然が保全されていることによってきわめて美しい。ほかに数々の駅、閘門、灯台、温室、工場、ドック、ポンプ場など。150年の遺産を自慢の資源として景観の整備をしている国。そうなるはずのものを別の短期でセルフィッシュな都合によって破壊する国。一方はそれらがあることによる重層的景観が国土を豊かなものとし結果として観光客を呼ぶ。もう一方は景観そのものが厚みを作らない。そしていつも散らかるだけだ。なにやら、そこに住む個人の家の室内の風情とよく似ているような皮肉な気がする。この国の歴史は長い。重層する景観的資源の厚みは引けをとらないはずだ。ただ近代の営為に対する尊敬がまったく無い。またもや中央郵便局が頭をよぎる。
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